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見立絵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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見立絵(みたてえ)とは、歴史上の出来事や故事古典を、同時代の人々が理解しやすい題材に託して描いた絵のことである。特に、江戸時代には、浮世絵等で趣向を凝らしたものが多く見られ、さまざまな階層の人々に親しまれた。

喜多川歌麿四睡之圖

見立涅槃図

江戸期に書かれた「変わり涅槃図」のうち、「見立涅槃図」に分類される作品がある。代表的なものには伊藤若冲晩年の作『果蔬涅槃図』があり、二股に分かれた大根を横たえた図を、釈迦入滅に見立てている。こうした作品は、「追悼等を笑いの対象とするような作品群の一つと考えられて」おり[注釈 1][1]、機知や揶揄に富んだ見立のひとつのあらわれである。他の例に、英一蝶作「業平涅槃図」[2]鈴木芙蓉作「芭蕉涅槃図」[3] 、「死絵」等の「役者涅槃図」、「鯨涅槃図」が挙げられる。

死絵。八代目市川團十郎。1854年。涅槃図の見立て

代表的な作品

紀貫之を主人公とする謡曲「蟻通」を踏まえ、女性を神的な恋の化身として表現
「雨夜の宮詣」笠森お仙
  • 『果蔬涅槃図』 (野菜涅槃図) (伊藤若冲
八百屋に生まれた若冲が、野菜涅槃に見立てて表現

ギャラリー

脚注

注釈

関連項目

外部リンク

  1. ^ 文化遺産オンライン「紙本墨画果蔬涅槃図」
  2. ^ 『馬込と大田区の歴史を保存する会』ホームページ 英一蝶画 「見立業平涅槃図」
  3. ^ 観峰館 青木木米画「芭蕉涅槃図」