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名鉄杯

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
名鉄杯
2017年名鉄杯
オウケンワールドとセンチュリオンの競り合い
開催国 日本の旗 日本
主催者 日本中央競馬会
競馬場 中京競馬場
創設 2002年
2024年の情報
距離 ダート1800m
格付け OP
賞金 1着賞金2200万円
出走条件 サラ系3歳以上(国際)(特指)
負担重量 別定
出典 [1][2]
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名鉄杯(めいてつはい)は日本中央競馬会(JRA)が中京競馬場で施行する、中央競馬特別競走である。

中京競馬場最寄りの中京競馬場前駅を通る名鉄名古屋本線を運営する名古屋鉄道(名鉄)より寄贈賞を受け、2002年に創設された[3]

概要

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この競走では名鉄の特急用車両パノラマカーなど特別車両『ミュー』連結列車)で使用されているミュージックホーンをアレンジした独自のファンファーレが使用されており[4][5]、発走前には名鉄ブラスバンド部による[5]、ファンファーレの生演奏が行われる[4][5]。同時にゴール地点に設置されている大型のモニター画面「ターフビジョン」やグリーンチャンネル中継画面では、場内の風景をバックに、7000系パノラマカーと1000系パノラマスーパー(共に4両編成[注 1])がすれ違うCG映像が流れるなど、GI競走と同等あるいはそれ以上の演出がなされている。

2019年現在の中央競馬で専用のCG映像を持つ競走は、GI以外では京王杯スプリングカップ京王杯2歳ステークスのみ、専用ファンファーレを持つ競走は当競走のほかには宝塚記念[注 2][6]のみである。名鉄により本競走にちなんだキーホルダーも製作し、数量限定で販売されている[7]

出走資格はサラブレッド系3歳以上のJRA所属の競走馬外国産馬含む)、JRAに認定された地方所属の競走馬及び外国調教馬である。負担重量は別定である[8]

JRAで行われる沿線大手私鉄5社の冠競走で唯一、グレード格付なき(重賞ではない)オープン特別競走である[注 3]

ジュライステークス

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後述のとおり、2019年のJRAにおけるリステッド競走格付けの導入に伴い、名鉄杯もこのうちのひとつとして指定された。

しかし、翌2020年開催では京都競馬場の改修工事に伴う開催日割の大幅な変動を受け、従来CBC賞中京記念などと名鉄杯を施行していた夏季中京開催が阪神競馬場に振り分けられることになった。これに伴いダート1800mでのリステッド競走は「ジュライステークス」と改称して阪神開催に組み込まれた[9]。名鉄杯は高松宮記念前日の土曜日である1回中京7日目・ダート1400mに番組を新設[注 4]する形で移設される[1]2016年2017年に3月にオープン競走として施行していた「夢見月ステークス」と同様の内容である(夏季開催が小倉競馬場に移る2021年2022年も同様の内容で施行された)。

なお、同名の競走自体は1961年から存在し、東京中山福島など施行条件及びコースを変えつつ1981年まで断続的に開催され、また1985年 - 1995年2012年 - 2016年(以上5年はダート1800m)に中京で、1964年2008年 - 2010年に阪神でそれぞれ施行歴がある[10]

2021年・2022年・2024年は福島競馬場ダート1700mで施行されている。

歴史

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  • 2002年 - 4歳以上の競走馬による混合の別定の1000万円以下条件競走として「名鉄杯」が創設され、中京競馬場・芝1800mで施行。
  • 2004年 - 混合競走から除外。
  • 2005年 - ロックカーニバルが史上初の連覇。中舘英二騎手藤原英昭調教師もそれぞれ史上初の連覇。
  • 2007年
    • 混合競走に戻す。
    • 負担重量を定量(牡馬57kg・牝馬55kg)に変更。
    • 施行距離を芝2000mに変更。
  • 2009年
  • 2010年
    • 1600万円以下条件に降格。
    • 施行距離を芝1800mに変更。
  • 2011年 - 中京競馬場の改修工事のため休止。
  • 2012年
    • 1000万円以下条件に降格。
    • 施行距離を芝2000mに変更。
    • 高松宮記念前日の土曜日開催に変更。
  • 2013年
    • 負担重量を定量(4歳56kg・5歳以上57kg・牝馬各2kg減)に変更。
    • 施行距離を芝2200mに変更。
    • 五十嵐忠男が調教師として史上2人目の連覇。
  • 2017年
    • 出走資格が3歳以上に変更。
    • オープン特別競走に戻る。
    • 夏季に施行変更。
    • 日曜日の開催に戻る。
    • 負担重量を別定に変更。
    • 施行距離をダート1800mに変更。
  • 2018年
  • 2019年 - 当年よりJRAの番組上でもリステッド競走を競走格として取り扱うこととなり[14]、当競走も指定される[15]
  • 2020年
    • 前年までの名鉄杯に該当するリステッド競走がジュライステークス(阪神ダート1800m)に移設される。
    • ダート1400mに番組を新設する形で名鉄杯を移設。
    • 出走資格が4歳以上に変更。
    • 土曜日の開催に戻る。
    • COVID-19の流行により客を入れずに「無観客競馬」として開催。
    • 本来ならば生演奏でファンファーレを吹奏するのだが、COVID-19の流行により初となるCD音源を流すことになった。2021年2022年も同様。
  • 2023年 - 2019年以前の施行条件に戻り[16]、本年はジュライステークス及び(2022年以前の)旧:名鉄杯に相当するオープン競走は施行しない。
  • 2024年 ‐ リステッド競走から外れ、8月に施行される(ジュライステークスにリステッドを格付け)。

歴代優勝馬

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施行日 距離 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主 条件
2002年3月17日 芝1800m トウカイキュート 牝5 1:49.0 武英智 松元省一 内村正則 1000万下
2003年3月23日 芝1800m ハートランドヒリュ 牡7 1:49.1 菊沢隆仁 清水久雄 豊田稔 1000万下
2004年3月21日 芝1800m ロックカーニバル 牡4 1:47.2 中舘英二 藤原英昭 (有)グランド牧場 1000万下
2005年3月20日 芝1800m ロックカーニバル 牡5 1:47.8 中舘英二 藤原英昭 (有)グランド牧場 1000万下
2006年3月19日 芝1800m サウスポール 牡6 1:48.6 角田晃一 武宏平 芹澤精一 1000万下
2007年3月11日 芝2000m スズカローラン 牝5 2:01.9 芹沢純一 橋田満 永井啓弍 1000万下
2008年3月16日 芝2000m ヒカリシャトル 牡4 1:58.7 中舘英二 西浦勝一 當山隆則 1000万下
2009年1月11日 ダート1700m ニシノナースコール 牝7 1:44.4 大野拓弥 尾形充弘 西山茂行 オープン
2010年1月24日 芝1800m エアシャトゥーシュ 牡5 1:47.2 中舘英二 藤原英昭 (株)ラッキーフィールド 1600万下
2012年3月24日 芝2000m マイネルガヴロシュ 牡5 2:04.5 伊藤工真 五十嵐忠男 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン 1000万下
2013年3月23日 芝2200m カネトシマーシャル 牡5 2:17.4 藤岡康太 五十嵐忠男 兼松利男 1000万下
2014年3月29日 芝2200m トウシンイーグル 牡6 2:15.2 勝浦正樹 山内研二 (株)サトー 1000万下
2015年3月28日 芝2200m ブランクヴァース 牡6 2:18.1 丸山元気 田中清隆 (有)社台レースホース 1000万下
2016年3月26日[17] 芝2200m サンライズセンス 牡4 2:13.8 岩崎翼 河内洋 松岡隆雄 1000万下
2017年7月16日[18] ダート1800m オウケンワールド 牡5 1:51.9 M.デムーロ 西村真幸 福井明 オープン
2018年7月15日[19] ダート1800m ラインルーフ 牡6 1:49.1 森一馬 松永昌博 大澤繁昌 オープン
2019年7月14日[20] ダート1800m スマハマ 牡4 1:47.6 藤岡佑介 高橋亮 (株)山紫水明 リステッド
2020年3月28日[21] ダート1400m ダイメイフジ 牡6 1:23.1 菱田裕二 森田直行 宮本昇 オープン
2021年3月27日[22] ダート1400m ペプチドバンブー 牡6 1:23.3 松田大作 武英智 沼川一彦 オープン
2022年3月26日[23] ダート1400m ケイアイターコイズ 牡6 1:23.0 西村淳也 新谷功一 (株)ケイアイスタリオン オープン
2023年7月16日[24] ダート1800m アーテルアストレア 牝4 1:51.7 菱田裕二 橋口慎介 フィールドレーシング リステッド
2024年8月25日[25] ダート1800m バハルダール 牡5 1:51.6 水口優也 池江泰寿 (株)G1レーシング オープン

脚注

[編集]

注釈

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  1. ^ 現在の名鉄1000系電車は、4両全て特別車の『全車特別車』編成は無く、一般車4両と特別車2両を繋げた6両編成(名鉄呼称『一部特別車』)であるが、リニューアルを機に編成全体の総称を1200形としている。
  2. ^ 以前は花のみちステークス(2014年は花のみち特別)、リボン賞(2015年のみ)、スプリングステークス2021年のみ)も専用ファンファーレが使用されていた。
  3. ^ 京王杯(スプリングカップ・2歳ステークス)はGII、京成杯(本杯・オータムハンデキャップ)・京阪杯阪急杯はGIII競走。
  4. ^ 例年通りの開催日割では(2019年までの)2回中京5日目に当たる。同条件のオープン競走には昇竜ステークス(3歳OP)、プロキオンステークス(GIII)がある。
  5. ^ 2018年の国際セリ名簿基準書における競走一覧[12]では名鉄杯(Meitetsu Hai)がリステッド競走「(L)」と表記されているのに対し、2017年には名鉄杯は指定されていなかった[13]

出典

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  1. ^ a b 令和4年第2回中京競馬番組”. 日本中央競馬会. 2022年5月2日閲覧。
  2. ^ 令和5年第3回中京競馬番組(PDF) 日本中央競馬会、2023年4月9日閲覧
  3. ^ 特別レース名解説 1回 中京競馬”. 日本中央競馬会 (2012年). 2012年8月16日閲覧。
  4. ^ a b 坂田博昭 (2009年1月13日). “「歴史の節目」の名鉄杯”. 地方競馬日替わりライターブログ. 楽天競馬. 2012年8月29日閲覧。
  5. ^ a b c 日曜中京のメイン・名鉄杯であの生ファンファーレが帰ってくる”. 日刊ゲンダイ (2023年7月12日). 2023年12月30日閲覧。
  6. ^ 中央競馬実況中継 ラジオNIKKEI第2のツイート”. 2015年6月28日閲覧。
  7. ^ 名鉄 第2回中京競馬限定 鉄道グッズ 販売”. 鉄道コム (2013年). 2016年1月1日閲覧。
  8. ^ 平成29年第3回中京競馬番組 日本中央競馬会、2017年4月9日閲覧
  9. ^ 令和2年度(2020年)リステッド競走一覧”. 日本中央競馬会 (2019年11月20日). 2019年11月27日閲覧。
  10. ^ レース名[ジュライステークス]の検索結果 netkeiba.com、2019年11月27日閲覧
  11. ^ 平成30年第3回中京競馬番組 日本中央競馬会、2018年4月9日閲覧
  12. ^ INTERNATIONAL CATALOGUING STANDARDS and INTERNATIONAL STATISTICS 2018”. The Jockey Club Information Systems. 2019年8月3日閲覧。
  13. ^ INTERNATIONAL CATALOGUING STANDARDS and INTERNATIONAL STATISTICS 2017”. The Jockey Club Information Systems. 2019年8月3日閲覧。
  14. ^ 平成31年度(2019年)開催日割および重賞競走について”. 日本中央競馬会 (2018年10月22日). 2019年8月3日閲覧。
  15. ^ 平成31年度(2019年)リステッド競走一覧”. 日本中央競馬会 (2018年11月20日). 2019年8月3日閲覧。
  16. ^ 令和5年度 リステッド競走一覧(PDF) 日本中央競馬会、2022年11月18日閲覧
  17. ^ 2016年結果 netkeiba.com、2016年3月31日閲覧
  18. ^ 2017年結果 ヤフー競馬、2017年7月16日閲覧
  19. ^ 2018年結果 ヤフー競馬、2018年7月15日閲覧
  20. ^ 2019年結果 ヤフー競馬、2019年7月14日閲覧
  21. ^ 2020年結果 ヤフー競馬、2020年3月28日閲覧
  22. ^ 2021年結果 ヤフー競馬、2021年3月27日閲覧
  23. ^ 2022年結果 ヤフー競馬、2022年3月26日閲覧
  24. ^ 2023年結果 ヤフー競馬、2023年7月16日閲覧
  25. ^ 2024年結果 ヤフー競馬、2024年8月25日閲覧