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ユーラシア関税同盟

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ユーラシア関税同盟
Таможенный союз Евразийского экономического союза

加盟国
公用語ロシア語
加盟国
面積20,007,860 km2
人口171,116,970[1]
GDP(購買力平価説$2.947 兆[2]
GDP(名目)$2.407 兆[3]
設立2010年1月1日

ユーラシア関税同盟(ユーラシアかんぜいどうめい、ロシア語: Таможенный союз Евразийского экономического союза)は、ロシアベラルーシアルメニアカザフスタンキルギスの5か国で構成される関税同盟[4]。 旧ソ連諸国によって欧州連合(EU) 型の経済協力体制を形成するための第一歩として2010年1月に誕生した[5]。加盟国は経済統合を進展させるために2011年以降関税障壁を順次取り払うことを決め、2011年11月19日には2015年までにユーラシア経済連合を設立するための合同委員会も開かれた[6][7]。2012年1月には、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンの3か国の経済統合をより進展させるため「共通経済空間」と呼ばれる共同市場の創設が発表されている [7][8][9][10]。ユーラシア経済委員会が関税同盟およびユーラシア経済共同体の執行機関となる[7]

域内流通製品に対する規格認証

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世界各国の名目GDPとユーラシア関税同盟(2011年)
  欧州連合: $17.1 兆 (25%)
  アメリカ: $14.8 兆 (22%)
  中国: $7.2 兆 (10%)
  日本: $5.8 兆 (8%)
  その他: $22.2 兆 (32%)
  ロシア・ベラルーシ・カザフスタン関税同盟: $2.1 兆 (3%)

関税同盟域内で流通する製品には、当該製品が関税同盟技術規則(Customs Union Technical Regulations、CU TR)に適合した製品であることの証明書が必要となる[11]。 2011年1月の関税同盟委員会決定で66の分野が技術規則の対象製品リストに規定され、2014年6月時点ではこのうち34分野について技術規則が策定され31分野については発効済みである[12]。残りの分野についても策定、発効が予定されており、ロシア国内では従来のGOST-R規格やTR規格から技術規則(CU TR)規格への移行が順次進められている[13]

世論調査

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ユーラシア開発銀行 (Eurasian Development Bank(ロシアとカザフスタンの共同出資により設立)はユーラシア統合プロジェクトに関する定期世論調査をおこなっている。

以下の質問がロシア語から各国の言語に翻訳されて調査された。:

  • "Беларусь, Казахстан и Россия объединились в Таможенный союз, который освободил торговлю между тремя странами от пошлин, и создали Единое экономическое пространство (по сути - единый рынок трех стран). Как Вы относитесь к этому решению?"
  • 「ベラルーシ、カザフスタンおよびロシアは関税同盟を発足させました。これは加盟国間取引の関税を撤廃し「共通経済空間」(加盟3か国による共同市場)を創設するものです。あなたはこの決断をどう思いますか?」
  • (非公式英訳): "Belarus, Kazakhstan, and Russia have united in a Customs Union, which has removed tariffs from their mutual trade, and created a Common Economic Space (essentially - a common market of the three countries). How do you feel about this decision?"

調査の結果、「好ましい」「大変好ましい」とする回答の合計は以下の通りとなった:[14][15]

2012年 2013年
ロシアの旗 ロシア 72% 67%
 ベラルーシ 60% 65%
カザフスタンの旗 カザフスタン 80% 73%
アルメニアの旗 アルメニア 61% 67%
アゼルバイジャンの旗 アゼルバイジャン 38% 37%
キルギスの旗 キルギス 67% 72%
モルドバの旗 モルドバ 65% 54%
タジキスタンの旗 タジキスタン 76% 75%
ウズベキスタンの旗 ウズベキスタン 67% 77%
ジョージア (国)の旗 ジョージア 30% 59%
トルクメニスタンの旗 トルクメニスタン 50%
 ウクライナ 57% 50%

ロシア、ベラルーシ、カザフスタンは関税同盟の現加盟国。ジョージアは独立国家共同体の加盟国ではないが調査に参加。 トルクメニスタンは2012年は不参加であったが2013年には参加している。

批判

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アメリカ合衆国は「旧ソ連諸国の間にロシアが主導権を握るソ連型の同盟を復活させようとする企て」として関税同盟を非難している[16]

関連項目

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脚注

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  1. ^ http://en.ria.ru/society/20120820/175324629.html
  2. ^ THE WORLD FACTBOOK COUNTRY COMPARISON :: GDP (PURCHASING POWER PARITY)”. 2014年3月27日閲覧。
  3. ^ THE WORLD FACTBOOK FIELD LISTING :: GDP (OFFICIAL EXCHANGE RATE)”. 27 March 2014閲覧。
  4. ^ Russia, Belarus and Kazakhstan Agree on Customs Union Archived 2014年7月4日, at the Wayback Machine. Saturday, 5 December 2009
  5. ^ Soviet Union to be restored in the form of new customs union, Kyiv Post (18 December 2009)
  6. ^ Russia, Belarus, Kazakhstan sign pact”. UPI (19 November 2011). 20 November 2011閲覧。
  7. ^ a b c Ukraine cannot get observer status at Eurasian Econ Union due to Association Agreement with EU, Russia, Interfax-Ukraine (14 June 2013)
  8. ^ Belarus eases current account deficit with Customs Union, Common Economic Space”. Cistran Finance (1 October 2013). 25 October 2013閲覧。
  9. ^ 廣瀬陽子 (2013年5月). “第6章 ユーラシア統合の理想と現実 -思惑が交錯する中でのナショナリズムとリージョナリズムの相克-”. 平成24年度外務省国際問題調査研究・提言事業 地域統合の現在と未来. 日本国際問題研究所. 2014年8月19日閲覧。
  10. ^ 小泉悠. “ロシア、カザフスタン、ベラルーシの経済統合 ―関税同盟条約を中心に―”. 外国の立法 250(2011.12). 国立国会図書館調査及び立法考査局. 2014年8月19日閲覧。
  11. ^ What approval is needed to enter the market of the Customs Union of Belarus, Kazakhstan and Russia”. 2014年8月19日閲覧。
  12. ^ 技術規則は34分野が策定済み−関税同盟の規格認証制度(1)− (ロシア、ベラルーシ、カザフスタン)”. JETRO (2014年6月25日). 2014年8月19日閲覧。
  13. ^ 3 カ国関税同盟内での技術規制新規導入について”. JETRO (2012年2月). 2014年8月19日閲覧。
  14. ^ Интеграционный барометр ЕАБР 2012”. Центр интеграционных исследований Евразийского банка развития (2012年9月13日). 2012年10月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。201-09-13閲覧。
  15. ^ Интеграционный барометр ЕАБР 2013”. Центр интеграционных исследований Евразийского банка развития (13 September 2013). 2 December 2013-12-02閲覧。
  16. ^ Failed reset?: United States decries “sovietization” of former USSR states

外部リンク

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